当財団は、静岡市内に在住しておられた篤志家の遺言に基づき設立された財団法人で、その篤志家の姓に因んで「廣田育英会」と称することとなったものです。 この篤志家が「自分の全財産を寄付して育英財団法人を設立する」という意思を固めたのは昭和59年1月のことでした。この篤志家は、その旨の遺言書をしたためて知人であった弁護士富坂博氏に預けると同時に、生前中での公益法人の設立も企図し同弁護士にその業務を依頼しました。 同弁護士が文部省(現・文部科学省)や静岡県教育委員会などと交渉を重ねましたが、もともと病弱であったこの篤志家が病を得て思うに任せず、財団の設立を見ることなく平成5年5月に逝去されました。そこで、遺言執行者として後を引き継いだ同弁護士が奔走し、関係の方々のご協力のもと、数々の障害を乗り越え紆余曲折を経て、平成18年6月27日に静岡県教育委員会から公益財団法人の設立許可を受け、同月30日に正式に設立となったものです。 その後、法人制度に関する法改正があり、当財団も平成26年3月24日に一般財団法人へ移行の認可を受け、平成26年4月1日からは「一般財団法人廣田育英会」として、育英事業を行っております。なお、当財団につきましては、平成19年4月5日の静岡新聞朝刊のコラム欄「大自在」で取り上げられました。
有能な志のある学生が自らの目的を達成するには、様々な困難があります。その一つが学資の問題であります。私達は、この問題に直面している有望な学生を多少なりとも支援したいと考え育英財団を運営しております。
ある篤志家の遺徳により、その所有する全財産を基金として「廣田育英会」の設立が企図され、平成18年6月に静岡県教育委員会から正式に当財団の設立が認可されました。そして、当財団は今日まで、逆境に怯まず「学ぶ」ことへの気概と行動力を持ち、感謝の気持ちを忘れず、人間として大きく飛躍する若者に奨学援助を行っております。また、激動する社会の中で、次世代を担う地域社会の有能な人材の育成に寄与することを目指しています。当財団一同、未来に大きく羽ばたこうとする若者にこころから応援のメッセージを送りたい。
理事長 杉山 正美
理事長 杉山 正美 (日本大学非常勤講師・元高等学校長・日本教育書道連盟審査員)
常務理事 富坂 博 (弁護士・第一東京弁護士会所属)
理 事 野中 将弘 (税理士・野中会計事務所所長)
理 事 近藤 隆久 (社会保険労務士)
理 事 三神 美久 (医師)
理 事 富坂 尚生 (財団職員・福祉法人評議員)
監 事 高柳 卓弘 (会社役員)
監 事 鈴木 英仁 (福祉法人役員)
評議員会長 神代 醇一 (元学校長)
評議員 石田 安彦 (会社役員)
評議員 瀧沢 敬三 (元美術大学職員・評議員)
評議員 新庄 尚亮 (歯科医師)
評議員 澤田 敬人 (大学教員)
〒420-0031 静岡県静岡市葵区呉服町2丁目7番地の24 育英会ビル4F 電話 054-254-1692 FAX 054-253-4926
上掲の書「風月同天」は、奈良朝の長屋王が鑑真和上(688〜763)を「朝廷の伝戒師」として招請すべく、遣唐使の留学僧に持たせた招請文の中にある「山川異域 風月同天 寄諸仏子 共結来縁(山川域を異にすれども、風月天を同じくし、諸仏子に寄りて、共に来縁を結ばん)」からの言葉です。鑑真和上はこれにより日本への渡航を決意したという。
当財団は、全ての奨学生に対し、「どんな環境、境遇にあろうとも勉学はすることができる。苦境、逆境にめげることなく精進して欲しい。」との願いを込めて、この言葉を贈ります。
(書は瀧沢敬三(八州)氏(東京在住)による)